設備案内
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首・腰の牽引
最新の牽引装置を使用しています
※保険施術、対応しております
牽引療法とは
首または腰を引っ張る物理療法(機具などの物理的作用から直接あるいは間接的に行う体の施術)です。
脊椎(背骨)は頚椎(首の骨)から尾骨まで約30個の骨が重なってできています。その中を脊髄が通り、その脊髄から多数の末梢神経が骨と骨の間を通って出ていきます。この骨は労働や年齢、ケガのために変形したり、骨と骨の間の椎間板が突出したり(椎間板ヘルニア)してきます。この変形した骨や椎間板が脊髄や末梢神経に触れると、体の一部に痛みや痺れ、麻痺などが起こりはじめます。頚椎や腰椎はこの変化が最も起こりやすい場所なのです。
牽引療法の目的は、首や腰を引っ張ることにより、狭くなった背骨の隙間を広げ、骨同士の圧迫を軽減させたり、ずれを矯正したりすることです。
牽引は、急性期の時にはあまり効果がなく、炎症が治まって慢性腰痛のようになった場合、また骨にヘルニアや骨折、脱臼、変形といった病態がある時に効果を発揮します。
痛みはなく、専用の器具を使ってきれいに軽く体を伸ばすようなイメージです。
牽引療法の歴史
牽引療法の歴史は古く、古代ギリシャの医者ヒポクラテス(紀元前460年頃~紀元前370年頃)が骨折や脱臼の整復に用いたという記録が残されています。1950~1960年代に椎間板の施術として流行し、現在まで牽引方法や装置にさまざまな改良が加えられてきております。
首の牽引(頚椎牽引)
首(頚部)を間欠牽引(一定の時間一定の力で、秒単位の牽引と休止を交互に行うこと)します。
首の骨と骨の間隔が狭くなっている場合や、椎間板ヘルニアのように圧力で神経が圧迫されている場合、首を上に引っ張ることで頭部の重みによる頚椎への負担が軽減され、骨の間隔が広がって神経根や椎間板への徐圧、疼痛、神経痛の緩和が期待できます。また、首や肩周辺の筋肉がほぐされ肩こりが改善する場合もあります。
牽引は首を10~20°前屈した(顎を軽く引いた)状態で、8~10分程度断続的に行います。牽引する力は8~10kg前後(体重の1/5)を目安とし、患者さまの体力や体型に合わせて調整します。
腰の牽引(スーパートラック、腰椎牽引)
腰を自動で間欠牽引(一定の時間一定の力で、秒単位の牽引と休止を交互に行うこと)します。
背骨を伸ばすことにより椎間板や関節への負担が軽減され、背骨周辺のこわばった筋肉の緊張が和らぎ、靭帯の血流改善にも効果があります。また神経根や椎間板の炎症を沈静化させ疼痛、神経痛の緩和が期待できます。腰の筋のストレッチや手技的な効果もあり、心身のリラックスも図れます。
牽引は椅子に座った姿勢(股関節と膝関節を直角に屈伸した状態)で、8~10分程度断続的に行います。牽引する力は15~30kg前後(体重の1/3)が目安です。引っ張るタイミングや牽引する力は患者さまの体力や体型に合わせて調整します。
このような方には施術いたしません
当院では施術前にしっかりとカウンセリングを行い、患者さまに納得していただいた上で牽引施術を開始いたします。
また、下記の症状がある方には施術いたしません。
- 全身の衰弱が著しい方
- 急性の障害や炎症がある方
- 骨粗鬆症、骨軟化症の方
- 脊椎分離症、脊椎すべり症の方
- 脊椎カリエス、リウマチなど炎症性脊椎疾患の方
- 腫瘍の骨転移がある方(癌由来の腰痛症など)
ぶら下がり健康器具などを使い自己流の対処なさる方もいらっしゃいますが、かえって悪化する場合もありますので、専門の医療機関を来院されることをおすすめいたします。
牽引って危なくないの?
今までの牽引装置は、筋肉と骨とを同時に引っ張ることで筋肉を損傷させてしまう危険があると言われていました。そのため、牽引そのものにマイナスイメージを持たれている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、当院が導入している最新の牽引装置では、筋肉に負担をかけず傷つけることなく骨と骨の間隔だけを広げることが可能となり、筋肉損傷の危険を伴いません。
また、長時間の牽引は、頭痛や吐き気、めまいなどをもたらすこともありますが、当院では適切な時間内で牽引と休止を繰り返す間欠牽引を行っておりますので、安心して施術を受けていただけます。
また、牽引療法というのは、痛みの緩和効果に個人差が出やすいと言われていますが、それだけで効果が出る施術法ではなく、手技などの施術と組み合わせることで、はじめてその効果が発揮されます。たとえ牽引をして骨が広がったとしても筋肉が固ければ、またすぐに縮まってしまいます。手技で筋肉を柔らかくし、常に骨が広がった状態の筋肉を保つようにすることが症状を改善するための大切なポイントなのです。